トヨタ自動車も最重要視している「原価」について、その内容をご紹介します。
5/9に東京本社で行われた、2018年3月期のトヨタ自動車決済説明会を経て、トヨタ社内や部品メーカーに対して発表された内容です。
キーワードは「原価低減」「原価の見える化」「原価意識」です。
トヨタの2018年3月期の連結営業利益は、4054億円。
2019年3月期の連結営業利益の見通しは、2兆3000億円だそうです。
この営業利益について、改めて「原価低減」の重要性を経営陣が下記のように訴えています。
小林副社長、白柳専務
トヨタの行動の基本である「トヨタ生産方式」と「原価低減」に一人ひとりが、あらためて本格的に取り組む必要があります。既存業務の改廃とすべての費用をゼロベースで見直し、固定費削減を実現、高コスト体質からの脱却に向けた、収益構造改革をスピードアップしていきましょう!
豊田社長
たゆまぬ改善という「トヨタらしさ」があらわれはじめた決算。
自動車業界は100年に一度といわれる「大変革時代」に突入しています。
(中略)大切なことは、すべての人がより自由に、安全に、楽しく移動できるモビリティ社会を実現するために、一番に役立つ技術を開発することだと思います。
トヨタの強みは「トヨタ生産方式※」と「原価低減※」。この2つを徹底的に磨くことは、今を生き抜くだけでなく、未来を生き抜くために必要なことだと考えています。
※「トヨタ生産方式」と「原価低減」についての説明
TPSの基本の1つに「原価主義より原価低減」があり、これは「原価に適正利潤を上乗せして販売価格を決める」のではなく「販売価格は、市場(お客様)が決める」という大前提のもと、「自分たちができることは原価を下げることだけ」という考え方。「原価」を見ることで、一人ひとりが「原価意識」と「相場感」を持ち、日常行動の中にある「ムダ」を徹底的に排除することを目指す。
解説
私は「その通り」すばらしい考え方だと思いました。
「原価低減」を行うためには、まず「原価を見る」ことから始まる。
この「原価を見る」ことこそが「原価計算」です。
トヨタは「原価計算」「原価管理」を徹底しています。
現場には「原単位」という呼び方で、製品1個の原価の明細が見えるようになっています。
これらの「原価」に対する取組みが、前段の営業利益につながっていると思います。
やはり、経営には「原価」「原価計算」が重要であることが分かります。
本サイトの「儲かる実際原価」で現状の原価を把握し、「儲かる標準原価」で原価を見える化した上で「儲かる改善」に取り組む必要があります。
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