なぜ、原価計算が必要か?
「原価計算」を行わないと
- 儲からないからです
- 利益が出ないからです
- 倒産のリスクが高いからです
「原価計算」をやらずに、
- 儲かっている
- 利益が出ている
- 内部留保を蓄えてきた
というのは「偶然」です。
その「損益計算書」の利益、キャッシュは「偶然の産物」です。
会社経営、事業部経営が「偶然」でよろしいのでしょうか?
「製品別」に捉える
業績を管理する指標に「利益」があります。
また、当然ですが「儲ける」ためには「利益」が必要です。
その「利益」を、「損益計算書」の「利益」や「事業別損益」だけで捉えていては、その利益、赤字の要因が分かりません。
なぜ、赤字になったのか?
を追及しない限り、翌年度、翌月の利益は「偶然」を待つしかありません。神頼みと同じです。
(製品別は、「商品別」「サービス別」と自社の状況に合わせて、読み替えてください)
要因の追及には
●どの製品で、幾ら利益が出たのか。
利益率の高い製品は、さらに拡販へ ⇒ 営業戦略
●どの製品で、幾ら赤字になったのか。
見積りの時点で、安売りしたのか? ⇒ 見積り改善
それとも、原価が高くなったのか? ⇒ 原価低減
など、要因により、対策がまるで異なります。
事例で理解を深める
上記の事を事例で説明します。
会社、事業部の利益:100万円の場合
○○年度の損益計算書(損益表)
売上額: 5900百万円
製造原価:5800百万円
営業利益:100百万円
これを、製品別に捉えると、下表のようになります。
(売上 - 原価 = 利益)
製品名 | 売上高 | 製品別原価 | 製品別損益 |
---|---|---|---|
消しゴム-A | 2000 | 1800 | 200 |
消しゴム-B | 1900 | 2000 | -100 |
消しゴム-C | 2000 | 2000 | 0 |
合 計 | 5900 | 5800 | 100 |
この場合(損益状況)ですと、対策は下記のようになります。
- 消しゴム-Aは、もっと拡販します。
- 消しゴム-Bは、安売りの可能性から、見積りを改善します。
- 消しゴム-Cは、原価低減に向け、現場改善を行います。
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更に、「製品別原価」は「工程別」に捉えて、算出します。
例えば、消しゴムの「生産工程」は
材料をまぜる ⇒ 結合 ⇒ カタチをつくる ⇒ 切る ⇒ 包装
だそうです。
この工程の「工程別」原価を事例で説明します。
製品名 | 生産工程 | 原価合計 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
材料を まぜる |
結合 | カタチ をつくる |
切る | 包装 | ||
消しゴム-B | 10円 | 10円 | 30円 | 20円 | 10円 | 80円 |
消しゴム-C | 10円 | 10円 | 10円 | 40円 | 10円 | 80円 |
消しゴム-Bと消しゴム-Cで、最終の原価は同じ(80円)でも、
消しゴム-Bを生産する場合は、「カタチをつくる」工程
消しゴム-Cを生産する場合は、「切る」工程
で、原価が多く掛かっていますので、改善する工程も異なります。
まとめ
原価計算は、工程別に費用を集計し、その製品をつくる(完成する)のに、幾ら掛かるのか、掛かったのかを、明らかにすることです。(製品別原価)
そして、その製品の原価「製品別原価」が分かるので、「製品別損益」が分かります。
利益、損益の内訳、明細である「製品別損益」から、戦略、改善を実施します。
利益、儲けが「偶然」ではなくなるため、「儲け続ける」ことが出来るようになります。