「現場観察」の作業山積グラフで「現状把握」できたら、「NHK」の観点で「改善」できないか、検討します。(テレビ局で覚えましょう)
- N・・・無くす
- H・・・減らす
- K・・・変える
改善(案)の検討の際は、アイデアや改善案を「決して否定しない」ように注意します。
アイデアが出なくなり、最悪、改善を考えなくなってしまいます。
以下に、「NHK」の改善例を記載します。
N・・・無くせないか
- 必要な作業か? 本来、やらなくてもいいことまで、やっていないか
- 本人は、親切でやっているかもしれません
- 何もやることが無くて、ただ歩いているだけかもしれません
- 材料や部品を探している時間なら、「置き場(保管場所)を決めて、明示すれば」無くせます
- 材料や部品を、倉庫からライン側まで運搬しているなら、倉庫への保管を止めて、ライン側に保管する
- 材料や部品を、工程間で運搬しているなら、工程同士を繋げる
- 頻発停止、チョコ停を無くせないか(設備停止要因の調査)
H・・・減らせないか
- 必要な作業なら、作業時間を短くできないか
(歩行距離や歩行回数など) - 段替え作業を短縮できないか(段替え治具の改善)
- 頻発停止、チョコ停を減らせないか(設備停止要因の調査)
- 刃具の交換回数を減らせないか(刃物の寿命改善)
- 材料や部品を、工程間で運搬しているなら、工程同士を近づける
(U字ラインなど)
K・・・変えることができないか
- 今までの作業のやり方を変える
- 短時間労働者(パートなど)に変更できないか
- 多関節ロボットに変更する
「NHK」で改善したら
「一人で8時間」掛かっていた仕事や作業が、改善して(例えば)6.5時間で出来るようになります。
例えば、3人の作業者が、それぞれ8時間掛かっていた作業が、6.5時間に改善できると、3人でやっていた作業が、2人で出来るようになり、1人削減できます。
その様子をグラフで表すと、下図のようになります。
Aさん、Bさんには、少し残業していただきます。
残業はやりたくないので、更に改善し、定時でできるようになります。
「理想」だと思うかもしれませんが、他社や競合、トヨタはやっています。
一気に1人削減できなくても、30分、1時間の改善を積み重ねて、いつか1人削減が必ず、できます。
「愚直に、改善し続ける」ことが重要です。
そして、1人削減できた、その人(Cさん)には、別の仕事をしていただきます。
できれば、
- 他の仕事、ライン、工程の改善活動(専任)
- 次期導入設備の設計(やり難さ改善で部分的な設計でも)
- ロボット導入の勉強
など、やる事は一杯あります。
改善の効果
上記のように、色々な視点で、改善(案)を出し合い、実際に改善を実施します。
ところで、
その改善で、儲かるのでしょうか?
幾ら、儲かるのでしょうか?
改善を実施した結果、赤字になることもあります。
幾ら、儲かるのか? 改善の前に改善効果を算出する必要があります。
改善の効果は「標準原価」が無いと計算できません。
もし、標準原価が無い状態で効果を算出しているなら、どんぶり勘定で、赤字の改善を実施している可能性があります。
貴社の改善効果を算出するために、すぐにでも、標準原価を始めることが出来ます。
加工組立産業のお客様
以上、「儲かる改善」の「NHK」は、「作業改善」でした。
改善には、経費の改善もあります。
次は「儲かる現場改善」の「経費の改善」もご覧ください。