以下の説明の中で、「製品」は自社の実状に合わせて、「商品」「サービス」に読み替えてください。
見積原価計算 実際の場面
見積原価計算は、原価を「見積もる」ことを目的に計算する原価です。
実際の実務での場面は、お客様に製品を販売するために、自社の原価を見積り、販売価格を決めるために計算する原価です。
この見積りは非常に重要で、会社の利益、存続に大きく影響します。
見積りした原価、価格が高いと買ってもらえませんし、安いと利益が出ませんので、儲かりません。
画期的な商品を開発、良い製品を生産しても、儲からないと意味がありません。
こんなに重要な見積りですが、多くの会社で、ちゃんと出来ていません。
見積るための計算方法を知らないのです。間違えています。
さて、見積りの価格は、以下の計算式で算出します。
例えば、「消しゴム」一個の価格
100円 = 50円 + 30円 + 18円 + 2円
この計算式の「材料費 50円」「加工費 30円」「一般管理販売費 18円」「利益 2円」が、見積原価計算の対象です。
見積原価計算の重要性
先程の「消しゴム」の事例より、例えば、1年間で10,000個、売れたとします。
売上 = 100円 × 10,000個 = 1,000,000円/年間
利益 = 2円 × 10,000個 = 20,000円/年間
利益率 = 20,000円 ÷ 1,000,000円 × 100 = 2%
この利益は、損益計算書の「営業利益」を示すことと、イコールです。
尚、この利益率は、現実の中堅、中小企業の利益率に近い数字です。
(政府統計情報より)
ということは、見積り以上の利益を出すことは、非常に難しいです。
もちろん、現場改善を行い原価を下げるとは思いますが、3%の改善ができますか?
それなのに、
この「見積原価計算」が、多くの会社、企業でちゃんと出来ていませんし、出来ていると思っています(思い込み)。
中には、どんぶり勘定の会社もあります。(恐ろしい)
みんな「どんぶり勘定」です。安心か、チャンスか!! トピック
製品、商品を市場に出す前から、赤字が確定しているかもしれません。
本サイトの「標準原価・見積計算」を導入し、儲かる価格決定、値決めを行いましょう。
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ちなみに
以上のような事から、
製品の企画、開発、見積りの段階で、原価、利益、儲けの80%が決まる。
と、よく言われていますし、多く会社でそのような状況です。
この見積原価計算を行いながら、原価を下げる活動のことを「原価企画」「VE」などと言います。
尚、80%が決まってしまう主な要因は、この見積原価計算と製品の材質、形状が大きいです。
この辺りの事は、追々、説明します。
そう言えば、以前、私が提出したVE提案、特許(実用新案)は、その後、どうなったのだろうか(ボソ。ボツ?)
次回は、「儲かる見積原価計算」の「材料費の計算」です。