原価計算の計算方法として、「計算の手続き」を説明します。
「その③」です。「その②」はこちらです。
「原価計算」とは、会社で生産している製品1個の原価を計算することです。
4.製品別原価計算
前回の工程別に集計、配賦した費用を基に、製品1個の原価を計算する「製品別原価計算」です。
簡単に言うと、「工程別原価計算」 の金額を、その工程で生産した生産品目の生産数で、各製品に割り振ります。
多く生産した製品には、多くの費用を割り振ります。
工程 | 製造原価 |
---|---|
NC旋盤① | 225,800,000円 |
NC旋盤② | 154,200,000円 |
合 計 | 380,000,000円 |
各工程で、製品Aと製品Bを生産した場合の原価計算は、下表のようになります。
工程 | 工程別原価 | 製品 | 生産数 | 製造原価 |
---|---|---|---|---|
NC旋盤① | 225,800,000円 | 製品A | 500,000個 | 451.60円 |
NC旋盤② | 154,200,000円 | 製品B | 300,000個 | 514.00円 |
これで、製品1個の原価が計算できました。
原価計算の計算手続きの説明は、以上です。
いかがですか? 原価計算の基本、大枠は、理解できたでしょうか。
これを基本に、本サイトの実務で使える「儲かる原価計算」を実践しましょう。
補足
原価計算は、会社の利益や赤字の内訳、要因を捉え、改善するために行います。
参考リンク 原価計算の必要性
原価計算の種類
「原価計算の種類」で説明したように、原価計算には種類がありますが、「計算手続き」は変わりません。
原価計算の種類で変わるのは、計算をする時に、”どの数字を使用するか” です。
具体的には、全社、部門別の原価集計表や生産数に実績値を使用した場合は、「実際原価計算」になりますし、標準的な値や見込みの数字を使用した場合は、「標準原価計算」や「見積原価計算」になります。
この実績値には、損益計算書や生産実績、標準的や見込みの数字には、予算を使用して算出する場合もあります。(これを「予算管理」と言います)