原価計算の種類

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はじめに

ここでは、原価計算と言っても、こんな種類があるのか、を理解してください。
そして、自社、自組織に必要な原価は何か、足りない原価は何か、を認識してください。

原価計算の種類には、大きく以下の3種類の計算方法があります。

ここで言う「種類」とは、「用途」による区別です。

用途とは、原価計算の目的、すなわち、

●原価は何のために計算するのか

●計算した原価は何のために使用するのか

です。

原価計算の名前も以下の”原価計算”の文字を除けば、「見積」「実際」「標準」になりますので、この名前からも原価計算の目的が想像できます。

見積原価計算

実際原価計算

標準原価計算

重要な前提

原価計算は、その目的から3種類に分けられていますが、そもそも、「原価計算、それ自体の目的」を忘れてはいけません。

以下の計算式が重要で、原価計算の目的、前提です。
もっと言うと、この式が会社、組織の目的ですね。

利益 = 売上 - 原価

そう。会社、組織は「利益を得る」ために、活動、操業、生産しています。
原価計算も「利益を得る」ために、原価を計算します。

原価計算の目的は「儲ける」ため

この「重要な大前提」を忘れてはいけません。

それでは、個々の原価計算について、簡単に説明します。
実際の実務での「原価の活用場面」「事例」は、「〇〇原価計算の活用」として、別のページで説明します。

見積原価計算

原価を「見積もる」ことを目的に計算する原価です。
お客様に新製品を販売するために、自社の原価を「見積り」、販売価格を決めるために計算する原価です。

決定した販売価格は、通常、「見積書」という書類に記載し、社印を押印してお客様に提示、提出します。

お客様が満足した価格、望んでいた価格の場合には、めでたく、注文に繋がります。
会社や組織は、注文をいただけないと、始まりませんね。

という理由で、計算した原価、決定した価格を「値引き」して、安い価格で販売する場合もあります。そう、利益、儲けを減らす行為です。

実際原価計算

実際原価計算は、文字通り「実際の原価」を計算します。
実際に掛かった費用、コストで計算した原価で、製品1個を生産するのに掛かった原価を計算することです。

前段の見積原価計算で計算した原価、見積もった原価に対して、実際原価は、実際に生産した製品の原価を計算します。

見積原価計算、見積書の提示を経て、お客様から注文が来る(注文書が届く)と、注文数量を生産(「量産」と言います)します。
この注文数量を生産(量産)した際に、実際に掛かった費用、発生した費用を集計し、生産数で割って、製品1個の原価を計算します。

この実際原価のことを「実績原価」という言い方をする方がいますが、生産した実績から計算するため、そのような言い方をすると思いますが、一般的には「実績原価」という言い方はしません。

標準原価計算

この原価は、実際原価の弱点を補う目的で考えられた原価、原価計算です。

実際原価計算は、実際に掛かった費用、発生したコストを、注文数、生産数で割って製品1個の原価を計算します。ということは、注文、生産の都度、原価を計算することになるため、「計算の都度、原価が異なる」という事態が発生します。

これが弱点です。
計算の都度、毎回、原価が異なるということは、その製品は一体、幾らで生産できるのか? 幾らで生産すべきなのか? ということになります。

原価計算は「儲ける」ために行いますので、当然、原価は少ない方いいですね。
そんな中、高い原価になったり、安い原価になったりでは、儲かりません。(儲けが確実ではありません)

そこで、この製品は幾らで生産すべき、幾らで生産できるはずだ、という「標準的な原価」の必要性が高まり、その計算方法も生まれました。
この標準原価は、生産に先立ち、生産者の目標として「目標原価」として使用されます。

まとめ

  • 原価計算は3種類あり、目的に応じて、計算方法が異なります。
  • 原価計算それ自体の目的は、「利益を得る」「儲ける」ために行います。
  • 個々の原価計算の活用場面、事例は「〇〇原価計算の活用」として、別のページで説明します。
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