「儲かる改善」には「経営改善」と「現場改善」があります。
「経営改善」は経営者、経営層が行う改善です。
「経営改善」の最初の改善が「儲かる原価計算」を導入することです。
「儲かる原価計算」を導入し、原価計算を実施することが、改善のスタートで、会社経営の「現状把握」です。
「経営改善」のポイント、「儲かる原価計算」の導入目的は、大きく、以下の5つになります。
1.実力、実態の営業利益の把握
損益計算書の営業利益は、会社の実態、実力を表していません。
法定耐用年数で算出した減価償却費と利益は、実態と大きく、かけ離れています。
10年で設備を買い替えません。
黒字だと思ったら、実は赤字かもしれません。
2.商品、製品別損益による、改善対象の見える化
商品、製品毎に利益が見えます。赤字の商品、製品は早々に改善する必要があります。
改善には、「販売価格、売上単価の改善」と、「工程の改善」があります。
それぞれの改善を以下に説明します。
3.戦略的見積り価格の算出(限界利益の把握)
前項より、赤字の商品、製品の「赤字の原因」には、販売価格、売上単価が原価を下回っている「安売り」の可能性があります。
「儲かる原価計算」で製品別原価が分かりますので、販売価格、売上単価の値上げを行います。
市場やお客様との関係で、簡単に値上げできない場合には、「限界利益」と比較し、限界利益を下回っている場合には、生産、販売中止を検討します。
4.工程別原価による、改善ポイントの見える化
前項より、「赤字の原因」が、販売価格、売上単価ではない場合は、工程を改善するしかありません。
「儲かる原価計算」で工程別原価が分かりますので、工程内の何の費用が多いのか、改善できそうかを分析、検討し、直ぐに取り掛かります。
とかく、改善できそうな費用は、変動費の経費です。電力やガス、消耗費、修繕費などです。目標を決めて、対策し、実績を把握します。
5.設備投資の意思決定
設備が古い、最新設備は速い、生産量の増加、ロボットの導入、人員の追加雇用など、色々な理由で、設備や人に投資します。
この時に、この設備購入や人員雇用を行うと、原価と利益がどうなるのか? 購入、雇用の前に確認する必要があります。
例えば、2000万円の設備を購入し、入れ替えたトタンに赤字では、2000万円をドブに捨てたと同じです。
「儲かる原価計算」で、ちゃんと計算しないと、投資後の利益は分かりません。
投資による損益影響のシミュレーションです。
次の「儲かる現場改善」の「現状把握」もご覧ください。