さて、見積り価格は、以下の計算式で算出します。
価格 = 材料費 + 加工費 + 一般管理販売費 + 利益
それでは、材料費の「算出式」を記載します。
材料費(円/個)=
原材料費(円/個) + 材料管理費(円/個) + (-) スクラップ費(円/個)
以下にて、材料費の算出式の項目について、説明します。
原材料費
原材料費(円/個) =
材料価格(円/Kg) × 材料使用量(Kg/個)
材料価格(円/Kg)
製品に使用する単位量(Kg)あたりの材料の価格、単価です。
例として(円/Kg)としてありますが、生産する物に応じて、(円/cm)の長さや(円/リットル)の液体量の場合もあります。
原材料は、他社の仕入先から購入すると思いますので、その材料価格になります。
材料使用量(Kg/個)
製品に使用する原材料の使用量です。
例として(Kg/個)としてありますが、生産する物に応じて、(cm/個)の長さや(リットル/個)の液体量の場合もあります。
見積り時点の使用量となりますので、秤や計量器を使用して測れないと思います。
足りなくならない、ギリギリの使用量を見積もる必要があります。
足りなくならないように、大目に(余分に)見積もると、高い価格となり、受注できないことも考えられるため、ギリギリの使用量を見積もる技術が必要です。
材料管理費
材料管理費(円/個) = 原材料費(円/個) × 材料管理費率(%)
前項の「原材料費」に「材料管理費率」を掛けて計算します。
材料管理費率(%)
原材料の管理に掛かる、保管倉庫やクレーン、材料を運搬する作業者の労務費などが、対象になります。
会社全体で購入している原材料の金額に対する、上記の材料管理費(合計)の割合として、率(%)で設定します。
[例]材料管理費率(%)の算出例
材料管理費 1億円 ÷ 原材料の購入費 10億円 = 1%
業界、材料の種類により異なりますが、1~3%くらいになると思います。
スクラップ費
スクラップ費(円/個) =
スクラップ単価(円/Kg) × スクラップ重量(Kg/個)
スクラップ費は、鉄屑やスクラップ自体が売れる場合は、-(マイナス)、売れずに廃棄処分する場合は、+(プラス)します。
売れる、売れないに関わらず、少ない方が良いですね。
スクラップ単価(円/Kg)は、スクラップ業者に販売する時の単価です。
スクラップ重量(Kg/個)は、見積り時点のスクラップ重量となりますので、秤や計量器を使用して測れないので、ギリギリな値を想定するしかないと思います。(または試作品にて計量)
最後に
見積り時点の材料使用量は、想定量になるかと思います。量産段階の材料使用量が真の使用量になります。
材料費は、競争力のある低価格な価格に欠かせないコストの一つです。
VE(Value Engineering)を積極的に行い、早い段階からの試作により、極力、少ない使用量に努めます。
「儲かる見積原価計算」には「儲かる標準原価計算」が必要です。
商品の「儲かる標準原価計算」には、材料費を計算できる見積書が付属しています。
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次回は、「儲かる見積原価計算」の「加工費の計算」です。