その見積りの価格で、本当に儲かりますか?
その見積り価格の計算は、本当に正しいと思っていますか?
「正しい」と答えると思いますが、内心、不安ですよね。
これは実際にあったお話しです。
自動車部品を製造する、中小企業を支援した際のお話です。
結論から言うと、「儲かる標準原価計算」を使用して、ちゃんと原価(加工費)を計算し、「儲かる見積原価計算」から戦略的な見積りを行い、納得して受注できました。
ある自動車メーカーに納入される部品の下請けで、自動車メーカーからすると、二次仕入先になります。
ある日、お客様から見積り依頼がありました。
図面より、部品の見積り価格は、1個、400円程。
月間の納入数=生産数は、50000個です。
月間で、売上が2000万円の商売です。
もちろん、以前より、これ以外の製品も生産していて、工場の稼働率は85%です。
ここまでは、良い話ですね。
問題はここから。
そんな中、中小企業の社長から「もう、見積りを作るのが怖い」という発言(小さい声)がありました。真剣な顔で。
お客様によると、競合先の見積り価格は「350円/個」ということです。
社長の見積りより「50円/個」も安い。月間にすると「250万円」も安いことになります。
注文を獲得できたとしても、毎月、250万円の赤字になる。
ということでした。
皆さんなら、どうしますか?
早速、「儲かる標準原価計算」で、原価=加工費を計算しました。
すると、340円/個でした。競合先より、10円/個、安く生産できている事が分かりました。
原因は2つ。
一つ目は、設備費レートと労務費レートを足した値に、加工時間を掛けて算出していたので、高く算出されていました。
正解は、
設備費 = 設備費レート × 設備の加工時間
労務費 = 労務費レート × 作業者の作業時間
加工費 = 設備費 + 労務費
です。
二つ目は、設備の減価償却費を算出する耐用年数です。税金を算出する法定耐用年数を使用していました。
今回の設備の法定耐用年数は「9年」でした。
しかし、この設備は購入してから何年、使っていますか? と聞くと、12年でしたので、12年の経済耐用年数として算出すると安くなりました。当然。
非常に「もったいない」話です。
そうです。加工費=原価の計算のやり方を間違えていただけでした。
製造業の競争力である加工方法や生産技術で、競合に負けていた訳ではありません。
加工費=原価の計算のやり方を知っていれば、今頃、稼働率も100%以上で、もっと儲かっていたでしょう。
今回の事例で一番大事なのは「儲かる標準原価計算」「儲かる見積原価計算」を知らなったことでは、ありません。
もちろん、創業の時から知っていることがベストですが。
大切なのは、今やっている、
やり方が一番良いのか?
他にもっと良い方法が無いのか?
原理原則なのか?
を考え続けること、そして追求する姿勢です。
分かってしまえば、やり方は理解するだけです。
中小企業の社長さん、役員の皆さん、ご連絡、お待ちしております。
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