金型費、試作品、小ロット製品の「一点物」を算出する方法の2回目です。
今回は前回の課題で記載しました「一点物の設計費」の算出、回収について、記載します。
前回、金型費、治具費を算出するとは、原価計算を行うことで、「儲かる個別原価計算」で原価を算出すると説明しました。
「一点物の設計費」も「個別原価計算」で計算します。
設計業務を「設計工程」として捉え、以下のように「工程加工費」として算出します。
工程加工費(円/個)= 設備費(円/個) + 労務費(円/個)
設備費 = 設備費レート(円/時間) × 設備の加工時間(時間/個)
労務費 = 労務費レート(円/時間) × 人の作業時間(時間/個)
設計費は、この「工程加工費」を「設計工程費」と考えます。
製品、商品設計の設備費
工業製品の設計は通常、CADCAM(solidworksなど)を使用して設計していると思いますので、設備は、CADCAMのコンピュータです。
このコンピュータの取得価格1000万円と耐用年数で、減価償却費を算出します。
また、CADCAMのソフトウエアの有償バージョンアップ費用が発生する場合は、生産設備の修理費のように、年間の費用を見積ります。
これに、少額の電力料を追加して、一点物の設計「設備費レート」を算出します。
設備費レート算出の算出ツールは、「商品:個別原価計算」がお役に立ちます。
この設備費レートに、CADCAMを使用しての設計時間(CADCAM設備の使用時間:2日間など)を掛けて、設計の設備費を算出します。
製品設計の労務費
設計の労務費は、文字通り、設計者です。
設計者への支払労務費をベースに、「労務費レート」を算出します。
設計者の労務費なので、工場の現場作業者よりも高いレートになるのが、通常です。
「人の作業時間」は、設計者の設計に掛かる時間で、CADCAMを使用して設計している時間+αになるかと思います。
この労務費レートと設計時間を掛けて、設計の設計費を算出します。
労務費レートの算出ツールは、「商品:個別原価計算」がお役に立ちます。
設計費
上で算出した設備費と労務費を加算して、設計費を算出します。
設計費(円/個)= 設計設備費(円/個) + 設計労務費(円/個)
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